02.個人サイトのススメ



●はじめに

当然だが、個人サイトとは個人で運営するWEBサイトのことである。
法人や団体ではなく個人が趣味や日記、作品の公開、情報の共有などを目的として持つホームページのことだ。
人はいつしか、これらを個人サイトと呼んでいる。

現在では何かをインターネットに公開したければ、わざわざホームページを作る必要はない。
文章も動画もイラストも特化したSNSがある
アカウントを作れば、その日のうちに始められる。
では、そんな時代に個人サイトを持つ意味はあるのだろうか。
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●個人サイトの遍歴

簡単におさらいすると、個人サイトが盛んだったのは1990年代後半から2000年代頃だろう。
インターネットが一般家庭にも普及しはじめ、自分のホームページを持つ人が増えていった。
いつしかそれはネット上での流行となり、内容の指針が無くても「何となく」で制作した人も多い。
当時は今のような便利なサービスが揃っていたわけではない。
HTMLを覚え、メモ帳に直接タグを書いてホームページを作った人も多いだろう。

そう、windows付属の「メモ帳」で作ることができる。それだけ低コストで始められたのである。
それでも運営には少し手間がかかった。

できあがったホームページには制作者の趣味が詰め込まれていた。
主なメインコンテンツとして
日記、プロフィール、一次・二次創作の小説やイラスト、アニメ・ゲームの感想や考察、
ゲーム攻略、写真、コレクション、チャット、掲示板、リンク集、素材配布、趣味のことetc。
が多かったように思う。

アクセスカウンターが置かれ、「あなたは○○人目のお客様です」と表示され、キリ番を踏んだら掲示板で報告をさせられた。(キリバンとは2222 5000 10000などキリの良い番号のこと)

文字がやたらと大きかったり、背景が派手だったり、文字が点滅していたり右から左に流れていたりした。
「工事中」のページがいつまで経っても完成せず放置されているサイトも多くあった。
しかし、それも含めて個人サイトの味だった。

やがてブログが普及し、携帯電話が普及すると、プロフィールサイト、小説投稿サイト、ゲームポータルサイトなどが流行する。モバイル用サイトを簡単に作成するサービスも登場し、サイトを見せ合う学生も多かった。

スマートフォンが普及した現代で、インターネットで何かを公開するためにHTMLを書く必要はほとんどなくなった。
個人が発信しなくなったわけではない。
むしろ以前とは比較にならないほど、多くの人が情報を公開するようになった。
ただ、そのために「自分のホームページを作る」必要がなくなったのである。


●なぜ、今個人サイトなのか。

便利なサービスが揃っている今、なぜ、あえて個人サイトなのだろう。
個人サイトの一番の面白さは、「自分の場所を自分で作れること」だと思う。

SNSでは基本的に、全員が同じ枠の中にいる。
プロフィールがあり、投稿が並び、いいねやコメントが付く。
便利である反面、その形そのものを大きく変えることはできない。

個人サイトなら自由だ。何を置いてもいい。
日記の隣にゲーム攻略を置いて、その下に自作の絵を置いてもいい。

突然まったく関係のない考察を書いてもいいし、誰にも需要のなさそうなページを作ってもいい。
文字の大きさも、背景も、ページ構成も自分で決められる。

誰にも見られないかもしれない。
SNSなら投稿したものがタイムラインやおすすめによって誰かの目に入る可能性があるが、個人サイトは作っただけでは驚くほど誰も来ない。

いいねの数も、フォロワー数も、再生数もない。
「これは需要があるだろうか」と考える必要もない。
自分が置きたいから置く。

前の記事でも書いたが、現在のインターネットは巨大な街の中に自分の部屋を借りるようなものになった。
よく考えると、ホテル暮らしのようなものだ。
個人サイトは、久しぶりにインターネットの空き地を見つけて、そこに自分で小さな家を建てるようなものなのかもしれない。
便利さだけを考えれば、わざわざ個人サイトを作る必要はない。

利点は、膨大な投稿の中に、自分のコンテンツや主張が流されていかないことだ。
SNSでは過去の投稿は次々と流れていくが、個人サイトでは自分の残したいものを、残したい場所に、残したい形で置いておくことができる。

そう、SNSは「速すぎる」のだ。
それに疲れてしまう人は一定数いる。


●個人サイトをつくろう

ということで、SNSの速すぎる流れに疲れる人は個人サイトを作ろう。
自分の家を建てよう。

何を作るかは何でもいい。

日記でも趣味のページでも。
AIの制作物をあげてもいい。
好きなゲームについて延々と語ってもいい。
誰にも理解されない研究を始めてもいい。

全部一緒に置いてもいい。

そして、立派なものを作る必要もない。
最初はトップページ一枚だけでもいい。
「工事中」と書いておいて、本当に工事中のままでもいい。

少しHTMLを覚えて自分で書いてみてもいいし、ホームページ作成サービスを使ってもいい。

そして2026年なら、AIに手伝ってもらうこともできる。
PHPを使って少し複雑な動的なものや、
更新を楽にするエディタすらホームページ内に設置してくれる。

個人サイトを作ること自体は、昔よりずっと簡単になっている。
せっかくなら、好きなものを好きなように置いてみよう。
誰かに評価されるためではなく、自分のために。

そしていつか偶然、知らない誰かが迷い込んでくる。
それくらいでいいのだと思う。

●おわりに

ここまで個人サイトについて書いてきたが、具体的な作り方については触れなかった。

HTMLとは何なのか。
何があればホームページを公開できるのか。
AIを使えばどこまで簡単に作ることができるのか。

そのあたりについては、また後日、別の場所に残していくつもりである。
個人サイトを作ることに大した信念はいらない。
便利だからでも、儲かるからでも、多くの人に見てもらえるからでもない。

もちろん何かを流行らせたり大量アクセスを狙ったり収益化を目指したりも面白い。
私もゆくゆくはそのつもりである。

ただ自分の場所が欲しい。
始まりは、それくらいでいい。

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